海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

……へっ………


今…私と卓磨君の名前が呼ばれた様な……?


私は半分放心状態に陥ってしまい、動く事も話す事も出来ない。


しかし代わりに、観客が一斉に割れんばかりの拍手をし始めた。


「キャーーー!!やっぱりねぇ!」


「私絶対桐生さんと卓磨君が1位だと思ってたよーー!」


「オレもオレもーーー!!」


「2人共優勝おめでとう~~~!!凄かったよ歌もピアノも!」


四方八方から飛んで来る暖かい歓声。


どうにか目線を動かすと、アイと小梅と冬柴君と茶竹君が私達のすぐ前に来ていた。


全員とてつもない笑顔だ。