海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

いつまでも泣いてる海に、ワケの分からない気持ちが高まる。


「えっ?ちょっ、卓磨!?」


俊哉のビックリ声も受け流して、オレは海と外山と浜口の所に歩み寄って行った。




「でも怖いの………歌いたくないの……嫌だよ…………」




ボロボロ流れる海の涙が、アゴと肩の間からチラッと見えた。


ピアノ教室では、宝石並みに輝いて見えた海の涙。


でも今は……ただただモノクロの水にしか見えない気がした。


「――――じゃあやめようか?」


いつもより数段低い声音で、海達に向かって言い放った。


「「―――えっ!?」」