海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

その顔と声に、“これは現実なんだ”ととことん思い知らされた。


「ウッ……ヒック…フェエ………」


外山と浜口の手厳しい言葉に、海の涙のスピードと量が増して来た。


どうする事も出来ずに、物陰で硬直しているオレ等男子3人。


今日は朝から日差しサンサンで暑いのに、オレの体温は急激に下がっていっていた。


出たくない………?


だったら最初から音楽祭引き受けなきゃ良かっただろ……?


いつもこんな事は無いのに、イライラした感情が心を支配する。


「「卓磨……」」


虎と俊哉の呼びかけも、耳に入って来なかった。