海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

「怖いって……確かに大勢の人の前で歌うのは緊張するだろうけど………でも一度受けた事なんだよ?海」


外山がキッと厳しい表情を海に向けて言った。


気マズそうに俯く海に、今度は浜口が言った。


「桜土君だって緊張してると思いますよ?海ちゃんだけじゃありません」


「小梅の言う通りよ。海、今頃になっての拒否なんて絶対ダメ。ちゃんと出なさい」


親友2人に諭されても、海は俯いたまま。


放っておいたらその内消えちゃうんじゃないかと思った。


「桐生さん、いきなりどうしちまったんだ…?」


隣に立ってる虎の困惑した顔と声。