海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

外山が海の頭を優しく撫でるが、海の涙は止まらない。


「私だって…泣き止みたいよ……」


懸命に涙を拭いてるらしいけど、オレ等がいる所からでは、顔がよく見えなかった。


チクショー……海がなんで泣いてるのが気になって仕方ない。


こうなったら、3人の前に出ようか!?つか出よう!!


意を決して、一歩踏み出した時だった。




「海ちゃん………気持ちは分かりますけど、今更『音楽祭に出場したくない』は無いと思いますよ?」




浜口のセリフに、オレの足はピタッと止まってしまった。


「今……浜口、何て………」