海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

バタバタと階段を昇って、屋上に到着。


ゼーゼー切れた呼吸を整えてると、海と外山と浜口の話し声が聞こえた。


「あっ、いた!ったく、心配かけて………」


ちょっとお説教でもしようかな?と、屋上の扉の取っ手に手を伸ばす。


そこで、俊哉が気づいた。


「なんか……桐生、泣いてねぇか?」


「「えっ?」」


慌てて3人で扉に耳をくっつけ、意識を集中させた。


「フェッ…そんな事言、言われても………」


確かに聞こえた、海の泣き声。


オレ達は音をたてない様に扉を静かに開けて、隙間から体を滑り込ませた。