海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

落ち着かない心の不安を振り払う様に、オレはあちこち海達3人を探し回った。


音楽室を覗き込んでた虎が、首をフリフリこちらに戻って来る。


「ダメだいねぇ。どこ行ったんだ?外山達。校内にはいるよな?クツあったし」


虎の視線の先には、次の授業開始まで残り僅かを示してる時計。


次第にオレ達の顔に焦りの色が浮かんでいた。


「後どこ探してないっけ?」


ずっと走っていたから、息を切らした俊哉が言った。


後…は――――…


「屋上だ!!」


もうあそこ位しか探してない場所は、オレにも虎にも俊哉にも思いつかない。