海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

個室の扉にへばりつき、4人が早く教室に戻る様に願った。


しかし4人の会話は終わらない。


「桜土君、今年の音楽祭出て欲しいよねぇ!!」


「うんうん!いっぱい賞とかとってて、プロ並みにピアノ上手いんでしょっ!?」


「絶対優勝間違い無しだよね!応援しなきゃ!」


「明るくて優しいし、ピアノも上手……優勝したら桜土君の人気、更に上がるんじゃない?」


ドスドスと、女の子達のセリフが胸に突き刺さる。


「……っ………」


胸が痛んで声が出ない間に、4人はトイレから出て行った。


そう………そうだよね。