「行ってきまーーす」


カバンを持って、学校に行く為外に出ると、雲一つ無い快晴だった。


「いいお天気……」


ピチチチと、スズメが数羽空を飛んでゆく。


朝から穏やかな時間が流れていて、私の顔は自然と笑顔になっていた。


卓磨君と一緒に出る音楽祭まで、後1週間。


私達の歌とピアノは、大分形になって来ていた。


『海ちゃん、ここはもう少しゆっくり歌った方がいいと思うんだけど……』


卓磨君のお姉さんの聡実さんはさすが音楽の先生だけあって、的確な指示をしてくれる。


忙しくて来れない時もあるけど、とってもいい人。