海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

「変な事聞いてごめんな?とりあえず黒木屋先生来るまで、あの部屋で練習しとこうか」


そう言いながら、海の小さな手を握った。


「!?//////」


海がビクッと肩を上げたけど、離したくなかった。


いつも練習しているピアノがある部屋までの僅かな距離が、とても幸せな時間に感じる。


それでも、部屋に入ると手を離した。


「あ……あの卓磨君?何かあったの?今日ちょっとイメージ違うよ?」


「そう?」


「うん……優しくもあり、少々強気でもあるって感じ」


“いつも優しさいっぱいなのに”と、首を傾げられた。