海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

「ホエ?卓磨君………?」


「海、やっぱりオレもここで練習する」


バタンと扉を閉めて、“お邪魔します”と呟いて中に入る。


海が後ろからチョコチョコとついて来た。


「い、いいの?卓磨君。帰りたかったんじゃ………」


「あーーいいのいいの。よくよく考えたら海、ピアノ伴奏あった方がいいだろう?」


純和風な浜口はお琴を弾けるらしいが、海は楽器が弾けない。


オレの演奏入ったテープも桐生家だろうし、だったらオレの演奏があった方が練習はかどるだろう。


それに空き巣とか物騒だし、か弱い女の子を1人にするのは危険だ。