海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

中学生は思春期真っ只中………海と2人だけで練習するのは、かなり精神力を使いそうで怖い。


「海…オレやっぱり帰るわ」


遠慮がちに告げると、海の顔が一瞬残念そうになった。


「分かった……それじゃあ私、哲兄帰って来るまでここにいるね?音楽祭近いから少しでも練習したいし、空き巣も多いから………」


空き巣…!?


そうだ……ここ数日、空き巣が近所で頻発してんだったっけ?


「じゃあね卓磨君。また明日」


玄関に飾られてる鉢植えの下から銀色の鍵を取り出し、扉を開ける海。


そのまま扉を閉めようとしたが、オレが止めた。