海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

どうしようかと、2人で玄関前でアタフタアタフタ………


その時、海のケータイが鳴った。


「あっ哲兄だ!もしもし哲兄!?今どこにいるの!?………えっ!?」


先生と電話で話す海の顔が、度々しかめっ面になったり呆れたり。


最後にハァ…とため息と同時に、通話を切った。


「哲兄酔っ払ったお友達が階段から落ちて病院運ばれたから、付き添いでまだ帰れないんだって」


「ハァ!?じゃあオレ達どうすんの!」


「なんか…鍵の隠し場所教えるから、勝手に練習しててくれって……」


複雑な表情の海に、オレはフラァ…と目眩を起こした。