海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

カァァァァッと真っ赤に染まる、海の柔らかいホッペ。


「そんな事無い………卓磨君はピアノの腕もそうだけど、人柄もしっかりしてる男の子だと思う」


ハニかみながら言ってくれた桐生のお陰で、オレの気持ちはいとも簡単に急浮上。


「黒木屋先せーい」


先生宅に着き、チャイムを鳴らす頃には、口元がかなりニヤけてた。


シーン……


海に褒めて貰えて嬉しかったのに…黒木屋先生が出て来ない。


「どうしたんだろう先生」


「今日は時間、1時からで良かったよ…ね?」


海もオレも、段々と不安になって来てしまった。