海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

思った通り、振り返った先にいたのは、髪を赤いヘアゴムで2つに結んだ桐生。


桐生によると髪がウェーブになってるのは、天然パーマだから。


桐生は髪まで天然だったんですよ、皆さん。


「あの……お話があるの。今時間いい?」


ちょっとモジモジしながら言う桐生に、オレは頷いた。


まだ時間あるし………大丈夫だよな。


「じゃあ…こっち来て?」


桐生と一緒に入ったのは、近くにあった美術室。


机にズラッと並んだデッサン用の人形が、やたらと怖い。


どういうチョイスセンスしてんだよ、うちの美術の先生って。