海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

月曜日になって、オレは半端に浮かない気分で学校に行った。


もう5月も終わる………音楽祭は毎年中旬頃に行われるから、そろそろ練習しなくちゃだ。


だけど今日オレピアノだし……桐生、あの6人で歌詞考えた次の日、なんかよそよそしかったし。


こんなんだったら名前で呼べなんて言うんじゃなかったなぁ………


「ハァ…どうなんだオレ達」


ため息をつき、角を曲がりかけた。


「―――桜土君……」


「へっ?」


この母親の子守歌みたいに安らぎを感じる、フワッとした声。


うん…間違いない。


「なんだ?桐生」