「お兄ちゃん、海さん送りなよ!」


こんな事をポーンと言ったのは……オレ等がいた玄関にいつの間にかやって来ていた妹の氷翌。


皆がクツを履くのを眺めてたオレは、猛スピードで氷翌の方を振り返った。


「な、何言ってんだよ氷翌いきなり!!つーかいつ玄関来たんだ!?」


「お兄ちゃん海さん1人で帰らせる気!?幾ら夏で明るいからって危ないでしょうっ!!」


兄の質問を簡単に無視して、桐生を指差す氷翌。


桐生は瞬きを繰り返したまま、固まっていた。


「あ、あの桐生ごめん……」


「そうね。送って行ったら?卓磨」