海と桜の奏 ~Pure・Harmony~

真っ青な顔で拒否反応を思いっきり示してるのに、アイと小梅は全く取り合ってくれない。


「いいよ!私いい思い出なんて、アイや小梅とこうやってお話してるだけで充分だから!」


かなりマズイ状況に身振り手振りを加えて、必死になって反論していた時だった。


「ならオレと一緒に出ようぜ?桐生」


まだ空いてた私の右隣の席に、誰かが座る。


大パニックに陥っていた私だったけど、何せこの声は好きな人の声。


すぐ誰か分かった。


「桜土君…!?」


ビックリして右側を凝視すると、前の席のアイの左右にも、誰かが立つ気配を感じる。