でも、私はそれでいいんだって思ってる。

このドレスは私の人生が、がらっと変わった日に
着てたものだから。

これを着るたびに、私はあの日のことに思いを馳せる。

重たい引き出物を持ち、

久しぶりに会った友人との会話も適当にすませ

二次会の誘いもやんわりと断り、

一人帰り道・・・でない路線の電車に乗った、あの日。

彼氏に、ねだってねだって、付き合って3年くらいたってやっと買ってもらった

お気に入りのピンクゴールドのペアリングを外しながら、

電車に乗った、あの日。

「ヒロくんに逢う」ためにあのドレスを着て…着たまま、

電車に乗っていったあの日・・・


「ヒロくんと特別な関係になった」、あの日。

ヒロくんはもう忘れちゃったかなぁ。

それとも、もう

思い出したくない?

あの日のことも、これまでのことも、私のことも。