「ね、ありえないでしょ」



「まぁでも世の中にはいろんな人がいるからねー」



「そりゃそうだけどさ」




放課後。
ファーストフード店にて。



私は早速、今日の昼食時間に起こった出来事に対する不満を
沙耶(さや)へと漏らしていた。




だってありえない。


苺は美味しいのに。
……っていうのは私の価値観なんだけれども。





「人それぞれ見方も考え方も違うのと一緒で、味覚も違うんだから。
あんたもそれを受け入れるべき」



沙耶はお盆の上で豪快にぶちまけられたポテトを3本取って、口に突っ込む。



――食べ方、汚い。




とか言いつつ、私も沙耶を真似してポテトを3本引っつかんで頬張る。


適度な塩加減。美味しい。