そして……

「至急集まるように。至急集まるように。」

30人もの捜査員が集まり、護送車に乗り込んだ。

奥の真ん中座席には……

マシェリエス。

目隠しをし、身動きをさせないように封じた。

周りには捜査員。

新日本特別捜査班は、別の車で移動することにした。

向かった場所は……

"山奥にある倉庫"

ここに全てが………

移動中、尾形は鬼畑がいないことに気が付いた。

「鬼畑さんは?」

「鬼畑さんは護送車で移動ですよ。」

答えたのは相澤。

「そうか……」

尾形は前に鬼畑と居酒屋に行ったのを思い出した。

―――……

「鬼畑さん……飲み過ぎっすよ。」

「うるせぇ、われ……ヒッ、おい尾形ぁ…おめぇも飲めやぁ。」

泥酔いしている鬼畑。

「俺まで酔っちゃったら、帰れなくなっちゃいますよ。あっ……もしかして今日も俺の……」

「奢りだわぁ、わりぃなぁ。」

「たまには奢ってくださいよ。先輩なんだし。」

「いつかじゃ、いつか。われが一人前になったらのう………」

そのまま、鬼畑は酔い潰れた。

尾形はため息を吐き、お会計を済ました。

……―――

「一人前、か。…一体、どこの方言なんだろ。」

尾形は静かに呟いた。

「キィッ!」

突然の急ブレーキ。

「ど、どうした?」

急ブレーキに驚く尾形。

「な、なんか……事故で……」

運転席には水間。

フロントガラスを覗いてみると、ちょうど今さっき5メートル先で、車とバイクが衝突したようだ。

どちらもグシャグシャ、大事故。

この時、マシェリエスを乗せた護送車は事故に巻き込まれず、先に山奥向かっていた。

新日本特別捜査班の車は停止中。

神様の悪戯だろうか……

"2つに別れてしまった……"