監禁ゲーム~REBOOT~

そんな中、尾形だけが……

"何か…何か引っ掛かる……"

他のことを考えていた。

確かにあの時、左手を撃ち抜いた。

けど、ファイルについていたのは、微量な血痕。

撃ち抜いたなら、血の量は多量なはず。

"微量と多量"

全くの逆だ。

飛び散った血が、たまたまファイルについたのか……

あの夜のことを、必死に思い出した。

「……今日の取り調べは終わりだ。」

柏木はそう言って、マシェリエスを取調室から出そうとした。

マシェリエスは微笑みながら、取調室を出ようとした。

その時……

「ちょ、ちょっと待ってください。」

尾形は何か思い出した。

「どうしました?尾形刑事。」

「今、わかったんです。ファイルについた血痕なんですけど……」

「はい、それが何か?」

「左手から流れたちじゃなくて、もしかしたら……顔から流れた血なんじゃ……」

「顔からですか?なぜですか?」

「実は、血痕がついていたファイル……その夜、私が犯人の顔に投げたファイルなんです。その時、ファイルで顔を切り、たまたまついたんじゃ……」

「……なるほど。どうなんだ?」

柏木はマシェリエスを見た。

この時、マシェリエスの顔から余裕が消え、額から1滴の汗が流れた。

「……だから、私は家にいたんですよ。もし、そこにいたのが私でも、左手から血が流れるはずないですよ。」

そう……

これは尾形も引っ掛かっていた。

「右手を見せろ。」

柏木はマシェリエスの右腕を掴み、右手を確かめた。

しかし、右手に異変はない。

「……どうかしましたか?」

余裕の表情に戻っていたマシェリエス。

だが、目は笑っていなかった。

次に腹部を調べた。

そして……

「マシェリエス、お前が犯人だな。」