しかし、ダミー見つからず……

床にも、天井にも……

「くそ……どこにダミーが……」

尾形が苦しむ中……

時間は着々と進む。

「ガ…ガガ…ザー……残り、1時間………」

時間は迫ってくる。

尾形はまた辺りを見回した。

今までの経過を、思い出しながら。

鏡…本物…撃ち抜く…ダミー…反転……

「もしかして………」

尾形は傷口を縛ってある袖を解いた。

尾形は傷口を確かめ、あることに気が付く。

左肩には、小さな穴が……

銃弾で撃たれたような……

傷口を見て、尾形はわかった。

銃弾の軌道は……

"直線だと……"

あの時……最初、真横にある鏡を割ったとき、正面を向いていた。

軌道が直線だということは……
 
銃弾を飛ばしているのは、真後ろの鏡からだ!!

しかし、本物の鏡を割った場合、撃ち抜かれるというが、隅の鏡に銃口が設置していたら、撃てる範囲は狭い。

矛盾が発生する。