第1GAME【121人の自分】

周囲の鏡は、区切られてはおらず、どこからどこが1枚かわからない。

まずは1枚1枚、区切りを付けるため、尾形は真横にある鏡を割った。

割るために使った道具は、いつも持ち歩いている拳銃。

尾形は拳銃の持つほうを上にし、鏡を叩き割った。

「パリンッ!!」

鏡が割れたと同時に!!

「ガハッ……」

尾形の左肩に激痛が走る。

座り込む。
 
その時、アナウンスが流れた。

「ガ…ガガ…ザー……1ついい忘れていました。鏡を割り、ダミーじゃない場合は……」

"貴方を撃ち抜きます……"

「まずは、左肩から……だんだんと右に進み、最後は………」

"心臓を………"

尾形の激痛は、これが原因だ……

左肩が撃ち抜かれている………

「グゥ…ガハッ……」

尾形は左肩を抑え、静かに立ち上がった。

鏡を迂闊には割れない、尾形はそう思った。

袖を破り、尾形は傷口の血を止めるため、袖で縛った。