「ずいぶんと、まあ、荒治療でしたね」
警官の群れから戻ってきたアルファは、やれやれと深く息づいて呟いた。
その顔は呆れ顔である。
「仕方ない、警視庁の依頼だからな、殺してしまっては後に困る」
「よく言いますよ、いつぞやの娼婦殺しはあっさりやっちゃったくせに」
「煩いな、焼くぞ」
「ああ、勘弁してください。
…じゃなくて、荒治療ってのはですね」
「ああ」
アルファの意図を察して、ジンはまた二人から目をそらした。
私的な憤慨が混ざっていたことは事実である。
だが、それ以上に彼はある役割を実行した。
『生きることも、死ぬことも怖い』
それを忘れた人間はどうなるか。
「………はあ」
ジンはどっと背中に覆いかぶさる疲労を背負い、石畳に膝を付いた。


