数分後、警官が4人ほどやってきてボロボロになったジョン・ドリック・セイバーの胴体を引き摺った。
悪魔から引き離されても未だ、獣は咽び泣いていた。
生まれたばかりの赤子、あるいは行き尽くした老人のように。
「……申し訳ありません」
レインは彼が脱ぎ捨てた上着とネクタイを、すぐに着るというのに丁寧に畳んで彼女が主に手渡した。
「謝るな、お前の落ち度は無い」
未だ拳銃を使わせたことを大いに悔やんでいるらしく、ジンはばつが悪そうに彼女から目をそらした。
彼女の剣を守ろうとしたのが、結果あんな獣にべろべろ舐められてしまう結果になり。
まだ忌まわしい液体がこびりついているような気がして、ジンは指で彼女の頬を擦った。
涎の着いた上着を取りあげて、ジンは手袋を以て早々に焼き捨ててしまう。
「1着買い替えなければならないな」
「はい。
お手数をおかけします」
「毎度のことだろう」
こういう仕事をしていれば、服などすぐに駄目になる。
戦闘用の特注品で高価であるので、レインは心苦しくてならない。


