「お前に聞こう、まだ口は利けるな」
「………ッ」
「利けるな?」
「アアアアアッ!!!!」
返事の催促に彼は右肩を踏み躙る。
「利ける、利ける!!
やめ、やめっ、アアアア」
返事を聞き届け、彼は静かに足を放した。
「お前どうする?
死ぬか、生きるか」
「………っ?」
「どうするかと訊いているんだが」
再度革靴が肩を蹴った。
悶絶、絶句、とにかく胴体だけで蹲る獣はもはや芋虫よりも醜い。
「死にたいなら殺してやっても構わない、ただし焼いてだ。
そんな身体を引き摺りながらなお生きると言うのなら、今警官を呼んでお前を牢獄にぶち込んでやろう。
選べ」
「……なん、だと」
セイバーは、背中にまたがるこの悪魔の究極の選択肢に応えかねて背中を仰け反らせた。
その表情を窺いたいと思うのは、どちらが楽か、判断したいからだ。
「さあ、どちらがいい」
後頭部を左手が掴む。
焼かれるのは痛い。
ゆっくりと、虫食まれていく恐怖を味わったばかりである。


