「ヒイッ、ヒイイ、ハッ、アアアアア」
左手、右足の血を塞ぎ終えた後、残った血を流す右足のアキレス腱に剣の刃を当てた。
どの足も手も残してやらない。
決して善良な裁判官とは似ても似つかぬ容貌で、彼はさらに獣を切った。
バチンという音がする。
もはや悲鳴は疾うに聞き飽き、傍観者たるレインは楽しく治療を施す彼女が主を心配そうに見つめた。
切れた足先も他と同じように『塞ぐ』。
これは常用している本人が一番わかっていることだ。
『焼いて塞ぐ』などと乱暴な方法、痛いのは当たり前だ。
声が枯れるほど叫んで。
地獄と錯覚するほどの痛みを背負って。
こんなことされるくらいなら死んだ方がマシと思える。
焼かれるとはそれだけ痛いことだ。
「てっ、てめえ、これで…ハアハア、ハ…制裁のつもりかァ!」
「…制裁?」
ジンは立ち上がると固い革靴で右肩を踏みつけた。
「ヒイッ!!」
「俺は元来苛めが好きな外道じゃないが、しかし愚かしい者に無駄な制裁を加えるほど善人でもないよ。
これはお前を救うための行為だ」


