神貫いて輪廻を生きる、それを怖いと早く知れ




「ハハハ、なに、しようってんだァ、ハア、ほっとけば俺ァ死ぬぜェ」


「うん、だから、死なないようにするためには血を止めなきゃいけないな」



相変わらず無邪気な笑顔を繰り広げる彼が、何故にその手袋を嵌めたのか、傍観する二人にはよく解った。


まずは、二の腕から先が無くなった左手の傷口をがっしり掴む。


獣はその手を睨むが、その瞬間激しく咆哮した。




「アアアっ、アッ、アア、アアアアアアア!!!!」


傷口を掴むその手が、燃えている。


『傷口は焼いて血を止める』というのが、彼が戦場でよく用いる応急処置方法である。


そもそも傷口部分を器用に塞ぐほどの局所性は、普通炎には存在しない。


それをやって退けるのは、まるで手足のように炎を扱う魔術師だからこそ、である。


したがって良い子も悪い子も絶対にやろうとしてはならない、緊急時でも、絶対にマネしちゃいけませんな危険である。



「ギャアア、ガッ、ガアアアア!!」


「煩いな、鴉じゃないんだから」



ジンは再三獣の頭を叩きつけた。




「お前は一週間前、本島のバラットという街で殺人を犯したな」


聞いてないヨ、とツッコミを入れる人物はゼロである。



「あそこは本島と首都島だけを往復する船の港だ。

一週間前のさらに前日つまり8日前にもお前は強盗を働いているということで警察があの付近を徹底警備していた…とすれば港から内陸に逃げるのはリスクが高い。

お前はそれこそ理性的に行動しないからな。

とすれば、船に乗ったかしがみついたかして首都島に来たと考えるがいい。

そういうわけでこの一週間警官にバラット港と此方を船で往復する港を張っていてもらった。

そういうわけでお前を発見するに至ったわけだ。」