あたしが筆箱を忘れた時なんて、 優しい航太くんは、シャーペンを貸してくれた。 黒と青のシャーペンは、いかにも男の子のって感じで、 ちょっと恥ずかしかったけど、 やっぱり嬉しかった。 わざわざ芯までいれて、 笑顔で、はい、って渡す航太くんは、 最高に素敵だった。 返すのはちょっとだけおしい気もしたけど、「ありがとう。助かったよ!」って言って返した。 すると、「あーうん」って、また笑顔。 その笑顔が大好きなんだ。