すき。

 そう思うのに、少し時間がかかった。

 そのときあたしには、好きな人がいたから。

 だから、君をすきって認めるのに、少し時間がかかったんだ。

 でも、

 君の笑顔が目の裏にこびりついて、

 君の声が耳の奥で響いて、

 君への想いがあたしを内からぐちゃぐちゃに掻き乱す。

 あたしの好きな人への想いを、

 君のその優しい笑顔が、

 どこかへ追いやったんだ。