「そういや、お母さんは?」
この時間帯はいつも居るキッチンに姿がない。
不思議に思い尋ねると「出掛けたよ」と返ってきた。
「そっか」
こんな時間から珍しいけど…まぁお母さんも出掛ける事ぐらいあるわな、人間だもん。
「あー、そーだそーだ。帰るの19時くらいになるらしいからさーご飯頼んだって俺、伝言貰ってたわ。忘れてた忘れてた」
何故棒読み
「えなに、アタシが作るのかい?」
「うん」
当たり前のように首を縦にコクンとさせた玲。
「だって俺も明日の朝方まで帰れないしね」
そうかい。
自分で作れっていう前提なんだね、初めから。
