やっとこさ校門を潜り抜けると、カラフルな造花で装飾されている大きな看板があり、そこには〔黒珱祭〕とでかでかと書かれている。
ん、まさに学園祭って感じだ。
何かテンション上がってきたかも、ワクワク。
「そういえばさ、結音のクラスは何やってるの?」
ふと疑問に思い聞いてみる。面白そうだったら行ってみたいしね。
「えー知らなーい」
「は?」
なんと?
「だから、知らないのー。話し合いなんかろくに参加してないし、テキトーでいいよーって言っといたからさぁ」
大丈夫なのかなこの子は。
そりゃ私も興味本位でちょっとは授業抜け出したり、保健室でサボったりするけど…
さすがに文化祭の出し物とかの話し合いには絶対参加するし、皆と一緒に準備したりするよ?
もしかして、
「…こーゆーの好きくないの?」
「んー?好きだよ、楽しいから。」
「じゃあ何で参加しないのさ」
「えー。だって皆、僕がいると話し合いに集中出来ないんだもん。ほら、僕ってカワイーし?」
人差し指を頬にもっていき、首をかしげる結音。
似合うし、本当の事だから何も言えない。
「…そーっすか」
「ちょ、スルーはやめて!」
んー…
何だかんだ苦労してんのかな、結音。
