ふいに後ろから待ちわびた声がし、振り返る。
「分かったらさっさと消えて?邪魔だから」
素早く男達と私の間にスッと入り、しっしっと手を払うようにふった。
「結音、遅い!」
若干焦っていた私は、結音の登場に心底安堵した。
「んだ、男待ってたのか…」
ボソッと呟くと、離れていく男達。
勝手に決めつけてたのあなたたちですからね。なんだじゃないよ。もうイライラするなあ。
男達が見えなくなるとふぅっと一息つき「いやー良かったー。助かった」と笑いながら結音の背中を軽く叩きながら言う。
「ゆっきぃ!!ごめんね!大丈夫だった!?何もされてないよね!?大丈夫だよね!!!!本当ごめんーっ」
いきなりバッと勢いよく振り返った結音。そのまま肩を捕まれ、前後に揺さぶられる。
「まっ…て、き、気持ちわ…るいっ」
喋れないって!
そんな揺さぶられたら喋れないから!
「ねえ!大丈夫だよね!ねえってばー!!」
「い、い加減、離せぃ!」
話せなくしてんの自分って分からないのか
「だ、大丈夫だあから!」
「本当に?良かったよ〜。さ、早く行こ!」
やっと離されたかと思いきや、次は手を握られそのまま有無を言わさず引っ張っていく結音。
こういうとこ変わんないな、まったく。
「わーかったから!引っ張んないで」
私が言うと結音は「はーい」と子供の様に返事をし、隣を歩き始めた。
