その拓磨先輩の正面には同じ形のベンチに寝そべり、眠たそうに欠伸をしているもう一人の副リーダー(様)。
桐谷 晃佑-キリヤ コウスケ-
この人も17歳。
訳あってリーダーは只今不在だから、代わりに晃佑先輩がリーダーを務めている状態。
他にもいるけど、現在、呀狼の幹部は基本僕を合わせた4人で構成されている。
少ないと思うけど、ちゃんと成り立ってるから大丈夫。
副トップである晃佑先輩はスゴイから。
齢17歳なのにも関わらず不在中のリーダーに代わって、総勢100人近くの下っ腹を完全にまとめあげている。
まぁそれはもう一人の副リーダーの拓磨先輩もそうだね。
この2人はホントに凄い。カリスマ視されるのも無理ない。
「待った!話を大きくしないでよっ!絶対紹介なんかしないからね」
そう大輝に言い、ベーっと舌を出した。
「何だよ、つまんねぇぞ!」
大輝のそんな言葉は右から左に聞き流し、僕はユキチのところに行くべく屋上から出た。
僕が突然出てきたもんだから、呀狼目当てで来た人達(特に女の人)が固まり、次の瞬間には悲鳴をあげ始めた。
……あー…完全にタイミング間違えた…普通に出るんじゃなかった…
つんざく悲鳴が辺りに響く。
迷惑ったらありゃしない…。
