すると大輝は案の定「は!?」と声をもらすと僕の首から腕を離した。
うんうん、予想通りの反応。
僕はクスッと笑った後、フイッと大輝から視線を反らし、再び校門を見た。
ん?アレ、ユキっちゃんかな
僕はユキチらしき後ろ姿を見つけ、急いで屋上の出口に駆け寄った。
その途端、
「おおおおい!大変だぞ、拓磨っ!ユイがとうとう彼女作りやがったあ!!」
え?
「へぇ、ホントに?それは是非とも見てみたいなあ」
ちょ、
「晃、結音くんに彼女だってさあ。珍しいこともあるもんだね」
「……まじ」
話がどんどん大きく…!
大輝が屋上全体に響く位の声で叫んだもんだから、下っ腹の連中にまでその声は届いていた。
「水綺さんに、女が!?」「マジか…!」等々聞こえる。
「大輝!何でそう大声で叫ぶのかな!!」
「おい、ユイ!紹介しろっ」
「はい!?」
「紹介して欲しいな。結音くんが付き合うくらいだから、相当変わった女の子なんだろうねえ」
"相当"の部分をやけに強調したな…
ニコニコと微笑みながら足を組み、何とも似つかわしくないベンチに姿勢良く座っているウチの現副リーダー。
白石 拓磨-シライシ タクマ-
17歳。
