再び視線を校門へと移し、柵に寄りかかった。
まだかな〜、ユキチ
そんな事を思っていると後ろからいきなり腕が伸びてきて、それを首に回された。
僕にそんな事するのはあの人しかいない…
「んー大輝センパイ。何ぃ?」
「はあ?なぁにを今更。センパイなんかつけやがって、気持ち悪いぞー、水綺くーん」
この人は、前川 大輝-マエカワ ダイキ-
僕より一つ年上であり、僕と同じ呀狼の幹部。
「さっきっから校門ばっか見てるよな?誰か来んの?あ、まーさか、彼女でもできたか」
ニヤリ、と僕をからかいながら楽しそうにしている大輝。
なんか少しムカついたから、騙してみようかなー面白そうだし
そんな考えが浮かび、僕は口角をあげてふふんと笑った。
「女の子を待ってるんだ。何か問題ある?」
嘘は言ってないよ。
彼女とは言ってないもんね、僕。
