そんな事を考えていると玲がリビングから出て来た。
「はい」
私が立ち上がると玲はスタスタと歩いてきて私の前に立ち、髪ゴムと黒い上着らしきものを差し出してきた。
私は髪ゴムを受け取って髪を二つに結びながら「コレ何」と玲を見上げた。
「外、ソレじゃ寒いと思うよ。」
私の服装を指で指しながらその上着を揺すって見せた。
優しいな、おい
「…ありがとう。コレ玲の?」
「ううん、真幸のだよ。」
「え、こんなの持ってたっけ」
「ほら、ユキが小学校の卒業式に来て行ったやつ。あの時は大きいし、ブカブカだって言ってたけど、今なら大丈夫なんじゃない?」
あー卒業式…確かに来て行った覚えが
「そっか…ありがとうね。」
上着を受け取り上に羽織った。
お、若干小さい気もするが、ピッタリじゃないか?
私の成長期が小4に来ていて良かった。
それから全く成長してないわけじゃないよ?違うからね?
「ピッタリみたいだね」
「うん、丈短くない?変じゃない?」
私は「大丈夫」と微笑む玲にもう一度お礼を言うと外へと出た。
