その為、この王冠-CROWN-のタトゥーが標的にされてしまった。
今までは髪の毛を下ろしただけで、何となく隠して来たけど、これからはそうはいかない。
絆創膏で隠すってのも考えたんだけど、逆に目立つと思ってやめた。
髪の毛を二つ結びにした方が風が吹いても大丈夫だし、自然に見えるだろうし、何せタトゥーが丁度良く隠れるから。
ただしいつも同じ髪型になるけど。
リーダーもお気に入りだったシルバーグレイの髪を染めた様だ。
ウィッグじゃあいつ取れるか分からないし、やっぱ心配だからって、福リーダーが強制的に染めたらしい。
リーダーは最後まで愚図ってたけど、
福リーダーの「自業自得だろ」の一言で渋々了承した。
内心ほんの少し焦りながら踵を返して、家へと戻る。
ドアノブに手をかけ引き、ドアを開けると、丁度玲がリビングから出てくるところだった。
「あれ?帰ってきたの?早くないかな」
「やー違うの、忘れ物」
「何?取りに行ってあげようか」
そう言って階段をクイッと親指でさして首を傾げる玲。
