「――好きです」
やっとのことで出た言葉は、その4文字だった。
たった2文字の違いだし、ほとんど同じに聞こえるけど……
“好きでした”は、過去。
この気持ちは、まだ過去じゃないんだ。
今も、また。
入江くんのこと好きになってる……
「私、入江くんのことが好きです。
受験の時からずっと好きなんです。
きっかけはほぼ一目惚れでした。
けどその時は『入学して同じクラスになれなかったら他の人を好きになるんだろうな』って思ってました。
でもね、それどころか……入学して、見てるだけでもわかることいっぱいあって、知れば知るほど好きになって……
今年も同じクラスになれなかったけど、やっぱり入江くん以外好きって思えないんです。
えと……その、何が言いたいかって言うと。
……私、入江くん以外好きになれないです。
今もほんとは諦めようと思って来てもらったんだけど……
諦めらんないと思う。
迷惑なのは重々承知です。
けど、もし良かったら……
友達になってくれませんか?」

