ヘアカラー

ぐさり、と心の痛い部分を刺されてしまった。


何も言えないでいると愛華は、しまったという顔をした。


「ごめんね。あんまり思い出したくなかった?」


愛華が気遣うように私の顔を覗き込む。


「なんていうか・・・ ちょっと悩んだことも多くて」


言うのを一瞬ためらったが、ここで中学のことを隠すのも気が引けてしまい、洗いざらい喋ってしまうことにした。


友達もいなくて、目立たずひっそり暮らしていたこと。


「いつも通り」を送るだけの人形になっていたようなこと。


話をしている間、愛華はただただ私の話を聞いてくれていた。


時間が、とても早く感じた。


ふと気が付くと、もうバスは高校の最寄りのバス停へと近づいていた。