「本当ですか~?何だか酔ってるようにしか見えないんだけどなあ……。」
訝しげな表情を浮かべた理子が目の前にいる。
「大体酔ってる人ほど、酔ってない、っていうもんなのよ。放っておきなさい。もう良い大人なんだし。」
そういいながら、由紀がこちらに歩いてきた。
「何よ~、嫌みな言い方~!私、本当に酔ってないも~ん!」
でも心なしか頭がぼーっとし、普段感じない高揚感を感じながら、由紀に反論した。
「あんた、完全に目据わってるじゃないの。あんまり飲みすぎるんじゃないよ、弱いんだから。」
由紀は私の頭を軽くこついた。
「何よ~、子供扱いしてぇ!」
私はぷぅ、っと膨れっ面を見せた。
「もう何言っても駄目みたいね。理子、かおるのことは任せたわよ。かおる、帰る時は私に声かけなさいよ、一緒に帰るから。」
そういって、私の肩を軽く叩いて去っていった。
由紀――木下由紀は私と同期。人見知りで人に馴染みにくい私が唯一心開けた人。
頼りになるし、いっつも助けられてる。
サバサバ冷めてるようで、実は誰よりも情にあつい。


