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「かおるさん、おっもしろーい!!」

理子がパスタを頬張った口元を手で抑えながら、ケタケタと笑った。


「ほんと、私はいつだって、かおるの保護者なんだから、困ったもんよぉ。」

そういって、むすっとした顔をして、左手で頬杖をつきながら、私の方を右手で持ったフォークで指す。

「もう、その話は勘弁して!ほんと、ごめんなさい。感謝してます。」
私は先程から、このセリフをもう何十遍もいっている。
いい加減、涙目である。目の前のミートパスタも喉を通るどころではない。

「いいえ!この話は代々後世まで語り継がれるべき逸話よ!」
そういって、由紀はフォークでカルボナーラにはいっているマッシュルームをぐさり、とさして口に放り込んだ。

もう、私、来年は絶対仮装なんて、やんないんだから!
私は固く心に決め、由紀や理子に比べると、断然残っているパスタの山をフォークですくい、口に押し込んだ。