毎年、誕生日になると花束が届く。それが顔も見た事がない婚約者からだと知ったのは10歳の誕生日だ。

それを知ったとき、私は婚約者を王子さまのように感じた。
まるで自分が物語の主人公になったかのように思った。そう思うほど、私はまだ幼かった。
馬鹿で夢見がちな子供だったのだ。