息を整え、ズレかかっていたかばんを肩にかけ直すと、テニスコートに背を向けて歩き出した。 ……けど。 「………うぅ」 改めて、外が暗いのに気がついた私は、心細さに眉をしかめる。 ……実は、暗いのって苦手なんだよね。 お化けとか…いないって信じてるけど!! けど…出てきたら怖いじゃん…。 ザッ、ザッ、 とテニスコートに響く自分の足音も、放射状に伸びる影も、なにもかもが怖くなってくる。 「…………っ」 でも、怯えてる訳にはいかない。