結局、校内散歩できなかった……と考えてうなだれる私の頭に、


『待ってるからね!!』


突然――西山の声が、頭の中に響いてきた。


「…………っ!!」

部活行くって言って、結局見に行けなかったけど……

あの西山のことだ。

「ちょっ、麗子ちゃん!!私、もう帰るね!!」

「はい。ご機嫌よう」

もしかして……?

「他の皆さんもバイバイ!!」

『さいなら〜』

私はみんなに挨拶すると、自分のかばんをひっ掴み、

真っ暗な外を走り抜けてテニスコートへ向かった。