天然王子とツッコミ姫☆




「…でも、くるみちゃんに、」


「それは見間違いですよ。翔太様が藤野さん以外をすぐ好きになるなんて、有り得ません」


断言して、私の頭を優しく撫でる目の前の誘拐犯。


……例えそれが、私を泣き止ませるための『嘘』だったとしても。


「………ありがとぉ」


……その心遣いは、素直に嬉しかった。


「……他の二人も、…ありがと」


目尻に溜まっていた涙を拭って、とりあえず全員に頭を下げる。


……と、そこで一つ疑問が浮かんだ。