サングラスを取ったとはいえ、服はヤクザ状態のままなので――
…正直、ヤクザに抱き着かれてるみたいで怖いッス!!
「私の名前は西山 圭太。翔太の父親だからよろしくね〜」
「……は、はいっ……」
予想外のフレンドリーさと格好のギャップに動けないでいると、
「美姫は俺のお嫁さんなの!!」
と言いながら、私から圭太さんを剥がしてくれた。
その行動には内心で感謝しつつ、
「だから、私は西山の嫁になった覚えは無いってば」
……聞き捨てならないその発言に訂正を入れる。
すると、
「翔ちゃ〜ん?女の子に強引な事はダメなんだぞぉ〜?」
私の後ろからのほほんとした声がかかった。

