ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

「五十嵐煌」


繭ちゃんは、早口で、五十嵐くんの名前を告げた。


「北星に通ってるいとこと、久しぶりにGWに会ってさ。
心優ちゃんが、煌様の誕生日パーティーに来てたって聞いたから」


繭ちゃんは、表面上はニコニコ……でも、笑っていない目であたしに聞いた。


「えっと……。
あの……」


五十嵐くんは……のんちゃんの幼なじみで……って、言ってもいいのかな?


でも、のんちゃんがいないから、いいのかどうか……聞けないし。


あたしがペラペラ話すのもなぁ……。