ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

「……?
なに?」


テキストから目を離し、斜め上の顔を見あげる。


すると……。


「繭、言いなよ」


「やだよ、杏が聞けばいいじゃん」


「えー?
でも、一番聞きたがってたの、花音じゃん」


クラスメートが、お互い小突きあった。


「……なに?
あたしに聞きたいことって」


あたしは席に座ったまま、キョトンとみんなの顔を見あげる。